日本人も外国人も、関係ない。「不得意」は補い合い、「得意」をとことん伸ばす組織づくり。
代表取締役 藤井大輔様
会社概要
会社名 | 株式会社Fun Japan Communications |
代表取締役 | 藤井大輔 |
従業員数 | 37名(2023年4月現在) うち、外国籍スタッフ11名 |
所在地 | 〒108-0075 東京都港区港南2-16-5 NBF品川タワー5階 |
事業内容 | ・メディア事業 ・EC事業 ・プロモーション事業(インバウンド/海外展開支援) |
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外国人採用のきっかけを教えて下さい。
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(藤井社長)
「FUN! JAPAN」のコンセプトは「アジアと日本の架け橋」です。事業を始めた当初は英語を使ったりして外国に情報発信していましたが、現地の人に刺さりにくかった。日本からの目線しかなかったことも原因です。
我々のビジネスは大きく2つあります。まずはメディア、コミュニティを大きくすること。そして、メディア、コミュニティを日本の商品販売に活かしていただくこと。「外国」「アジア」といっても一括りではありません。それぞれの国の言語、感覚で情報発信することがビジネスとして「正しいやり方なんだろうな」と思いました。
タイ、インドネシアのスタッフ採用から始め、今では44名の従業員のうち22名が外国籍スタッフです。
ゴーウェルとの繋がりがなかったら、優秀な外国人を集めるのに苦労したと思います。人材は企業にとって重要なキーですので、そういった意味でゴーウェルが信用できる架け橋になりました。
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御社のメディアを拝見していると、各国の目線を大切にしていることがよく伝わってきます。
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(藤井社長)
そうですね。いまはそれぞれの言語、感覚の記事で良しとしていますが、外国人スタッフにはさらに高度な成長をしてほしい。マーケティングを意識して、現地のどういう人がどういう物を好んでいるか理解して発信できるようになってほしいと思っています。さらに2、3年後には、タイ人社員なら「日本でタイのマーケティングを一番理解している」と言っていただけるような成長が理想です。セミナーに呼んでいただく場合も社長の私が登壇するのではなく、外国人社員が語れるような。
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多国籍企業として、どのような職場づくりをされていますか?
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(藤井社長)
外国人社員に限らず、「下を埋めるより上を伸ばす」ことを推進しています。不得意なことは気にしなくていい。お互い補い合うために、会社にはいろんな人がいます。代わりに、得意なことを伸ばす。突き抜けるところは突き抜けているタイプの社員が多いですね。
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できることを、とことん伸ばす。「不得意なことは気にしなくていい」と割り切っていらっしゃるのですね。日本語にまだ不安がある外国人社員にとっても、心強いと思います。とはいえ、多国籍社員が集まるなかで苦労されたことはございますか?例えば、コミュニケーションエラーが起こってしまったり…。
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(藤井社長)
優秀でバランスのとれた外国人人材を紹介してもらっているからというのもありますが、これまで社員同士の摩擦というものが起こったことはありません。仕事に関して意見を言い合うことは、もちろんありますけどね。しいて言えば笑い話ですが、電子レンジの使い方。タイ人社員が使ったあとタイ料理が飛んでいて、次に使った人のお弁当がタイの味になってしまう(笑)。ちゃんと拭いてねと言っています。
でも、1時ぐらいにタイ料理のにおいがしていたとしても、それもうちの社風。お客さんに「なんのにおいですか」と言われたとしても「これがタイ料理で」なんて会話をすれば、そっちのほうがウケたり。
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お弁当のにおいも、個性なのですね(笑)。外国人採用にあたり、事前に準備されたことはありますか?
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(藤井社長)
過度な対応はしないようにしています。礼拝の空間だけは用意しましたが、大げさなものではありません。お祈りを毎日する人もいれば、しない人もいます。立派に準備されたら、本人たちも無理にお祈りしなきゃいけない。オフィスパーティで特別な食事を用意することもありません。日本人だって、たとえば海外で「寿司が必要でしょ」「和式トイレが必要でしょ」と言われたって、要らないですよね。本人たちと話をするなかで、要望があったものを準備すればいいと思います。
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これから外国人採用を検討されている企業の方にアドバイスをお願いします。
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(藤井社長)
「外国人だから」とか、お互い気にしないことだと思います。いまの世の中、平等ですので個人の能力を重視します。会議に外国人社員が2、3人いても不思議ではありません。
ただ、あえて外国人社員に営業に行ってもらうということはあります。お客様に外国人の視点を伝えられますし、社員本人のモチベーションにつながるという意味もあります。タイ人社員が「タイってこうなんですよ」と語れば、「タイのスタッフがいてくれていいですね」と言っていただけます。お客様にも喜ばれますし、社員本人も嬉しい。存在価値につながります。
それと、細かいはなしですが、日本流コミュニケーションを押し付けないことだと思います。いわゆる日本の「飲みニケーション」も大事ですが、外国人社員はあまり来ません。無理に飲みに行って「コミュニケーションだ」と言ったって、相手が嫌がっていたら意味がないですよね。それより、本人たちの要望を聞くことだと思います。定期的な面談をしたり、ランチタイムにヒアリングをしたりしています。
以前、「ボーリングがやりたい」というので、ボーリング大会を開催しました。「ボーリングのあと飲みにいくかは本人たちの自由」という形で。すると、ほぼ100%の外国人社員が出席。タイ人も台湾人も、みんな上手なんですよ。
お互い構えすぎず、必要なコミュニケーションを大切にしていくということですね。本日は貴重なお話、ありがとうございました!